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熱電対、測温抵抗体とは?

目次
熱電対測温抵抗体
  1. 熱電対とは
  2. 熱電対温度計の特徴
  3. 熱電対による温度測定
  4. 熱電対と温度計の結線
  5. JIS熱電対の種類
  6. JIS熱電対各々の特徴
  7. 貴金属熱電対と卑金属熱電対の特徴
  1. 測温抵抗体とは
  2. 測温抵抗体の特徴
  3. 測温抵抗体の許容差
  4. 内部導線の結線方式
  5. 測温抵抗体のJIS

1.熱電対とは

ゼーベック効果

2種類の金属導体の両端を電気的に接続し閉回路をつくり、両端の接合部に温度差を与えると、 金属に電流が流れる。この時流れる電流の大きさは、「両端接合部の温度」とまたこの電流を発生 させる起電力を熱起電力という。
ゼーベック効果


熱電対の3法則

@均質回路の法則

金属A、Bが一様に均質な材料であれば、発生する熱電流は金属A、B及び接合点温度t1・t2で決まり、 途中の温度t3・t4には影響されない。
熱電対の3法則(均質回路の法則)

A中間金属の法則

中間に第3の金属Cを入れても金属C及びCの両端接合部の温度が一様であれば、 発生する熱電流は金属A・B及び接合点温度t1・t2で決まり、金属Cやt3には影響されない。
熱電対の3法則(中間金属の法則)

B中間温度の法則

熱電対の3法則(中間温度の法則)


2.熱電対温度計の特徴

特長

  • 温度の測定・調節・制御への使用、起電力の増幅、熱電対交換が容易。
  • 比較的安価
  • 測定方法簡易な割に測定精度が高い。測定遅れが少ない。応答性・寿命に応じ熱電対の線径選択が可能。
  • 測定温度が広い(例:K熱電対では-200℃〜1000℃)
  • 小物体・狭い場所の測温が可能。
  • 測定物と計器の距離を長くとれる。

欠点

  • 測定雰囲気により、熱電対の種類に制約がある。
  • 測定温度の±0.2%程度以上の高精度は難しい。
  • 基準接点補償が必要。また、熱電対と計器間の接続は補償導線で行うのが一般的(熱電対を延長するときもある)
  • 寿命及び雰囲気による劣化があり、定期的な検定が必要。


3.熱電対による温度測定

氷点式基準接点

熱電対を用いた温度測定では、両端接合部の温度と熱起電力の関係が既知の金属を組合せ、接合部の 一端を切り離しその間の電力を測定することで、温度を求める。
熱電対による温度測定(氷点式基準接点)
(* 熱起電力特性は、一般的には基準接点温度が0℃時の測温接点温度と熱起電力の関係として表される。 JISの基準熱起電力表も同様)

補償式基準接点

基準接点温度が0℃でない場合は、基準接点温度を別の温度計で測定し補正をする必要がある。
熱電対による温度測定(補償式基準接点)
熱電対の発生起電力:Vx[mV]=V1-V2
基準接点を0℃として時の起電力:Vx+V2=V1⇒t1℃


4.熱電対と温度計の結線

氷点式基準接点

熱電対と温度計の結線(氷点式基準接点)

基準接点補償内蔵計器(一般の工業計器)

熱電対と温度計の結線(基準接点補償内蔵計器)

補償導線の役割

一般的には、熱電対を計測器を直接接続することは少なく、配線の容易さや高価な貴金属熱電対の代用として 「補償導線」という専用の導線で熱電対と計測器を接続する。

補償導線の種類

・エクステンション形:組合せ熱電対と同じ材質

・コンペンセション形:組合せ熱電対と異なる材料であるが、常温を含む相当な範囲で同等な熱起電力特性を有する。


5.JIS熱電対の種類

(JIS C1602-95)

種類の
記号
構成材料
+脚 (注1)−脚 (注2)
Bロジウム30%を含む白金ロジウム合金ロジウム6%を含む白金ロジウム合金
Rロジウム13%を含む白金ロジウム合金白金
Sロジウム10%を含む白金ロジウム合金白金
Nニッケル、クロム及びシリコンを主として合金ニッケル及びシリコンを主とした合金
K(CA)ニッケル及びクロムを主とした合金ニッケルを主とした合金
E(CRC)ニッケル及びクロムを主とした合金銅及びニッケルを主とした合金
J(IC)銅及びニッケルを主とした合金
T(CC)銅及びニッケルを主とした合金

6.JIS熱電対各々の特徴

種類使用温度範囲℃長所短所
B600〜1500
(〜1700)
・1000℃以上の測定に適する。
・常温での熱起電力が微小のため補償導線が不要。
・耐酸化、耐薬品性が良い。
・還元性雰囲気でもRに較べ10〜20倍の寿命。
・600℃以下の測定は熱起電力が小さく不向き。
・感度が低い。
・熱起電力の直線性が良くない。
・高価。
R0〜1400
(〜1600)
・精度が良くバラツキや劣化が少ない。
・耐酸化、耐薬品性が良い。
・標準用として使用可能。
・感度が低い。
・還元性雰囲気に弱い。
・還元性雰囲気、金属蒸気に弱い。
・高価
S0〜1400
(〜1600)
N0〜1200
(〜1250)
・Kに較べ1000〜1200℃での耐酸化性が良い。またショートレンジオーダリングが改善されている。 ・電気抵抗が大きい。
・600℃以下の直線性が悪い。
K-200〜1000
(〜1200)
・熱起電力の直線性が良い。
・耐酸化性が良い。
・還元性雰囲気に不適。
・ショートレンジオーダリングのため350〜550℃の使用は短時間で起電力が大きく変化。
E-200〜700
(〜800)
・熱起電力が大きい。
・Jに較べ耐蝕性、耐酸化性が良い。
・両脚が非磁性。
・熱伝導が小さい。
・還元性雰囲気に不適。
・電気抵抗が大きい。
J0〜600
(〜750)
・安価。
・還元性雰囲気で使用可。
・+脚の鉄が錆びれやすい。
・特性にバラツキ大きい。
T〜300℃
(0〜350)
・熱起電力の直線性が良い。
・品質バラツキが小さい。
・還元性雰囲気で使用可。
・+脚の銅が酸化しやすい。
・熱伝導が大きい。

7.貴金属熱電対と卑金属熱電対

 貴金属熱電対卑金属熱電対
特長
  1. 高精度で特性のバラツキが少ない
  2. 経時変化が少ない
  3. 1000℃以上の高温測定が可能
  4. 耐酸化性、耐薬品性に優れる
  5. 電気抵抗が低い
  6. 標準用として優れる
  1. 高感度(起電力が貴金属熱電対の7〜10倍)
  2. 直線性が良い
  3. 高精度の補償導線がある
  4. 還元性雰囲気で使用できる種類もある
  5. 0℃以下の低温測定可能
  6. 低価格、SP品の製作容易
欠点
  1. 起電力が小さい
  2. 直線性が悪い
  3. 還元性雰囲気に不適
  4. 補償導線の精度が悪い
  5. 0℃以下の測定不可
  6. 熱伝導率が高い
  7. 高価
  1. 耐酸化、耐蝕性が良くない
  2. 一般的には1000℃以下の測定
  3. 高温での経時変化が大きく、寿命が短い
  4. 起電力のばらつき大きい
  5. 電気抵抗が高い


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1.測温抵抗体とは

抵抗温度計は温度センサの抵抗から温度を求める温度計。 予め温度と抵抗の関係が把握されている金属などを温度センサにして、 その抵抗を測定することで温度を求める。

2.測温抵抗体の特長

  1. 高精度。熱電対に対して許容差は0℃近辺で約1/10、600℃近辺で約1/2。
  2. 抵抗から温度を求めるため、熱電対のような基準接点や補償導線は不要。
  3. 温度と抵抗の関係はほぼ直線的。
  4. 安定度が高い。
  5. 感度が大きい。
  6. 最高使用温度は500〜600℃程度と低い。
    (JISでは超高温用として850℃までの規格があるが、工業用として使用されているのは650℃程度)
  7. 形状が大きく、応答は遅い。
  8. 機械的衝撃、振動に弱い。

3.測温抵抗体の許容差

(JIS C 1604-1997)

クラス許容差
A±(0.15+0.002|t|)
B±(0.3+0.005|t|)

備考)
  1. 許容差とは、抵抗素子の示す抵抗値を基準てい公表によって換算した値から 測定温度tをひいた値の許容される誤差の最大限度を言う。
  2. |t|は+、−の記号に無関係な温度(℃)で示される測定温度である。
  3. クラスAの許容範囲は、2導線式及び650℃を超える測定温度には適用しない。
参考)

許容差の見方:クラスAの測温抵抗体で500℃を測定した時 ±(0.15+0.002×500℃)=±1.15℃



4.内部導線の結線方法

(JIS C 1604-1997)

測温抵抗体結線方法(2導線式) 測温抵抗体結線方法(3導線式)

測温抵抗体結線方法(4導線式)
備考)

◎印は端子を、Sは抵抗素子を示し、端子と抵抗素子を結ぶ線は内部導線を示す。

参考)

「2導線式」
測温抵抗体と受信計器間の配線が2本で済む利点を持つが、素子の抵抗に加えて導線抵抗も 測定されるため、導線抵抗の補正を必要とする。また温度による導線抵抗の増減までは補正できない。

「3導線式」
工業計測用として一般的に用いられる結線で、 3導線式計器と組み合わせることで導線抵抗の影響を実用上無視することができる。

「4導線式」
電圧端子と電流端子が各2つ、計4つの端子を持ち、導線抵抗の影響を受けない測定ができるため 標準温度センサなど、精密な温度測定に使用される。

5.測温抵抗体のJIS

(1)種類
記号0℃における公称抵抗値(Ω)R100/R0
Pt1001001.3851
Pt10101.3851

備考)
  1. R100は100℃における抵抗素子の抵抗値。
  2. R0は0℃における抵抗素子の抵抗値。
  3. 一般的にはPt100を推奨する。Pt10は600℃以上での測定における 信頼性を高めるため太い抵抗線でつくられている。
(2)使用温度範囲による区分
記号区分使用温度範囲
L低温用-200〜+100℃
M中温用0〜350℃
H高温用0〜650℃※1
S※2超高温用0〜850℃

注意
※1 シース測温抵抗体は500℃とする。
※2 シース測温抵抗体には適用しない。



(3)規定電流:0.5mA、1mA、2mAのいずれか
(4)許容差:クラスA、クラスB

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